拙ブログでも紹介した同じ二人による初めての対談形式の「
インテリジェンス 武器なき戦争」は、まだお互い警戒心が強く、知識の開陳の場であったが、この書はさすがに丁丁発止の掛け合いであった。二人が意気投合しているように見せているのは、それ以上お互いに踏み込まない部分があるからだろう。それにしても、報道された情報をどう読み解くべきかの方法が盛りだくさん。なるほどそう解釈するのか、という‘目からうろこ’がたくさんあった。
ちょうど沖縄の知事選挙(2014年)が終わって、現職の知事が大差で敗れてしまった。日本政府は、沖縄の扱いを間違うと大変なことになる。今その方向に向かっていると危惧する。すでに一部の沖縄の人は、江戸時代の薩摩の侵攻や明治政府の沖縄処置を持ち出している。分離独立傾向が強まっていくと予測する。
(第1章)領土問題についての外務省の対応は単純ではない。外務省の中にも派閥のようなものがあり、決して一枚岩ではない。確実なことは、大臣より官僚の方が、より多くの機密情報を持っていることである。領土問題としては、いま竹島、尖閣、北方領土の3か所を数えることができるが、それぞれに歴史や経緯が異なる。それぞれに驚きの内容だ。そんな経緯を知らずに騒いでいる人が大半のようだ。インテリジェンスではそのことすらも織り込まれているところがすごい。
(第2章)中国のモラルなきインテリジェンス(褒め言葉でもある)が扱われている。政治とビジネス(集金マシーン)の中にあるインテリジェンスも非常に興味深い。英国のエージェントと思われる“ビジネスマン”の怪死、命のかかったギリギリの情報の交換。中国の諜報(インテリジェンス)活動は長い歴史がある。
(第3/4章)鳩山前首相が犯したイラン訪問による、二元外交の悪い例。会見時の写真に誰が映っているかより、だれが消えたかを重要視する。インテリジェンス大国イランの鮮やかなやり方をほめ、鳩山氏の行動を日本国の国益から批判する。北朝鮮とイランのつながりを明らかにした後、イランが持つ核と北朝鮮の核では、持つ意味合いが大きく違うことを解説。
(第5章)「トモダチ」という絶妙の命名とカモフラージュされたアメリカの作戦。海兵隊が見事に機能したその本当の意味を読み解く日本の政治家はほとんどいなかった。インテリジェンスとは世界中の情報が絡んでいることを認識させられる。チャーチルとスターリンの間で交わされたギリシャの話は全く知らなかった。歴史を知らなければ、いまを語り判断することは容易ではないことを痛感。非常に興味深い二人である。
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